ここ1ヶ月はちょっとした変化があったりして、じっくりと酒を味わう時間が持てず、気づけばブログ更新もお久しぶりに...
今週はまた1つ歳を重ねたこともあり、日本酒ストックを開けることにしました。
今回の酒はこちら。
岩手県一関市花泉の酒蔵、磐乃井酒造の「百磐 純米吟醸」です。
今年の年始に地元へ帰省した時に購入したものです。
岩手の酒というと、メジャーどころだとあさ開や菊の司、酒好きに好まれるところなら喜久盛や赤武といった蔵元があります。
帰省するにあたって、買いたい酒をあらかじめ調べていったのですが、最終的に購入したのが赤武 純米大吟醸 生酒と、この百磐でした。
「百磐」という銘柄は、磐乃井酒造の限定流通品で、青、橙、黄、赤の4種があります。各種、生酒や火入、おりがらみとバリエーションの展開が異なります。
今回のものは、「百磐 純米吟醸 黄 火入」です。
原材料等の表示はこんな感じ。
酒米は岩手県産ぎんおとめ100%、酵母は「ゆうこの想い」なるものを使用しています。
岩手県は「オリジナル」にこだわりがあるようで、酒造組合と県工業技術センターが開発した原材料が広く流通しています。
「吟ぎんが」(吟醸酒用)
「結の香」(大吟醸用)
「ゆうこの想い」(柔らかでふくよかな味わい)
「ジョバンニの調べ」(華やかで繊細な味と香り)
といったものがあります。
岩手ってこんなに酒造りに熱心だったんだなぁ...
この歳になって地元の良いところを新たに知りました(笑)。
さあ、御託並べはここまでにして早く飲みましょう。
猪口に注ぐとこんな感じ。
写真だとわかりにくいですが、黄色みがかっています。
ラベルにも表記がありましたが、製造は2019年7月です。
猪口を鼻に近づけると、フルーティな吟醸香。
いざ、実飲...
やはり純米吟醸、口に含むとフルーティな味わいと同時に、キリッとした辛口の味わいが広がります。
新潟淡麗にすっかり慣れてしまった舌も、このキレのある辛口には唸りました。
そしてさらに、ドライなキレ感のあとに、ふんわりと米の味わいを感じられます。
なるほどこれが「ゆうこの想い」...
辛口と言いながら単なる強いアルコール感に終わるだけ、という酒が少なくないですが、これは米や酵母が醸す味わいが、しっかりとキレのあるドライな風味を下支えしていると感じました。
この百磐は辛口というスタイルでなかなかバランスの取れた一本に仕上がっています。
ただ、最後に飲んだ日本酒が「緑川 北穣吟醸」だったので、米の「旨味」という点ではかなり異なる部分があるなということも思いました。
これは酒造好適米の特徴でもあるので、こだわりの強い岩手県産米を今後も味わってその特徴を掴んでいきたいですね。
まあでも、新潟の米の「旨味」のすごさと「雑味」のなさに敵うものはなかなかないのが正直なところ。
それを日常的に口にできることで覚える違和感というのは、罪だな〜と思いました(笑)。
旨味があれば確かに美味いけど、それだけがすべてじゃないので、色んな味を知っていく、というスタンスは忘れずにいたいところです。