【2020】②The Feel Good Records Of The Year

年間ベストリリースに続いて、こちらでは2020年に個人的によく聴いたアルバムをまとめた「The Feel Good Records Of The Year」を発表していきます。

 

こちらからご試聴ください。↓

 

<各盤紹介>

1. 植田真梨恵「わかんないのはいやだ」(2015)

2020年はコピーをする機会があったこともあり、植田真梨恵イヤーと言ってもいいくらい、毎日聴いていました。アルバムよりもカップリングに好きな曲が多かったので自分で植田真梨恵専用プレイリストを作るほど。植田さんの特筆すべきは、心に迫る繊細かつ圧倒的な歌唱と、切なさを内包した純度の高いメロディ。バンドアレンジの曲も良いですが、植田さんの良いところを一番感じられるのはアコギやピアノの曲だなあと、聴くたびにしみじみ感じます。

 

2. Queensway「The Real Fear」(2019)

メリーランド州ボルチモアモッシュコア/ビートダウンの1st EP。2017年リリースの1stですでに話題になっていたバンド。シンプルな8ビートのパターンで攻めるスタイルで、引き算の音数が生み出すグルーヴはモッシュ必至。サウンドもVo.のスタイルもかなーりワルい感じで、ストリート感というかいなたい感じの、METALじゃないハードコアを聴きたい人に絶対おすすめ。

 

3. Renounced「Beauty is a Destructive Angel」(2019)

ロンドン産アーリーメタルコアの3rd。2020年2月に来日を果たした当バンドは、私のNo.1激推しバンド。Poison The WellやSkycamefalling等を思わす00's Metalcoreスタイルで、泣きの叙情メロや不協和音フレーズ、ブレイクダウンでニュースクーラーを感動と興奮の渦にブチ込んでくれます。時折Edge Metal的な単弦リフぽいリフを噛ませてくるところも最高。初期作はニュースクール感強めですが、2ndと今作は叙情感マシマシスタイルなのでお好きな方はぜひ。

 

4. Sanction「The Infringement of God's Plan」(2018)

ロングアイランド産アーリーメタルコアの1st mini。Edge Metalの厳格かつフューリーなリフワークと、ビートダウン系の落としを織り交ぜた、邪悪さあふれるスタイルが特徴。彼らも2020年2月に、売れっ子Knocked Looseとのツアーで来日を果たしています。

 

5. Nasty「Realigion」(2017)

ビートダウンハードコアの本場ベルギーの10年選手、6枚目のアルバム。M3.「At War With Love」を聴いて、ビートダウンハードコアに魅力を知り、沼に引きずり込まれていきました。とにかくシフトチェンジしてビートを落としていくこととサウンドの邪悪さでイカツさとワルさを追求しています。メンバーのガチな風貌にも思わず震え上がりますね。

 

6. GLIM SPANKY「SUNRISE JOURNEY」(2015)

松尾レミさんのしゃがれっぽい声と60、70年代のロックやブルースからの影響が色濃く反映されたサウンドが特徴的な2人組。最近ハマってると言ったら「今更」なんて言われましたが、トレンドに関係なく、古き良き音楽を継承しながら自分たちのサウンドを鳴らす姿勢はジャンル問わず素敵ですね。個人的に入りはこのアルバムでしたが、「grand port」みたいな亀本寛貴さんのブルースくさいギターが聴ける曲が好みです。

 

7. The Story So Far「Under Soil and Dirt」(2011)

カリフォルニア産ポップパンクのベテランによる1st。今の若手Pop Punkに絶大な影響を与えているバンド。国内だとフォーリミなんかもかなり影響受けてます。Vo. Parkerの声やメロにクセがあり、曲展開やグルーヴも独特の浮遊感があって、このバンドにしかない要素を理解するまでに時間を要しましたが、2018年リリースの最新作「Proper Dose」が洗練された内容でそこから一気にハマりました(歌詞がただのヤク中で笑いましたが)。シンガロング必至の名曲「Roam」は必聴!

 

8. TRIAL「Are These Our Lives?」(1999)

ワシントン州シアトル産ストレートエッジの1st。私は基本的に硬派なサウンドが好きなので、ポリティカル系は大好物。TRIALはハードコアの中でトップクラスに好きなバンドです。特に彼らはstop&goの展開が上手く、サウンドがヘヴィでユースクルー一辺倒になりすぎないところが最高。ポリティカル系特有のスポークンワーズ的な語りかけもあってなお良し。

 

9. Champion「Promises Kept」(2004)

こちらもシアトル産SxEの1st。超初期にTRIALのGt.が在籍していたこともあってか、同郷TRIALに通ずるものを感じます。ただこちらはモダンにアップデートしたとびきりのユースクルーサウンドで、とにかく感情のままに突っ走る!という感じです。解散ライブのDVD+CDが出てますが、youtubeでも見れるのでアツいライブを見たい人はぜひ。

 

10. Mar「Seeing Her Naked」(2012)

オランダの首都アムステルダム出身のアーティスト。情報がなさすぎて、何者なのか全然わからないし、「マー」なのか「メル」なのか読み方も不明。作品によってやってることが違うのですが、本作はChillなR&B、ジャズ、ヒップホップといった具合で、似たようなサウンドであふれる界隈の中で、聴きたいポイントをズバリ聴かせてくれる、かゆいところに手が届く的な内容です。E.SceneのVo.の人がおすすめしていたので間違いないです。

 

11. 宇多田ヒカル「First Love」(1999)

言わずもがな国民的R&B名盤。有名な数々の名曲はもちろんですが、テンテンコさんがツイートしていた「time will tell」を聴いたらめちゃくちゃよくてアルバムそのものをしっかり聴き直しました。宇多田が歌うとありきたりなことでも諭されてるように聞こえるからすごい。

 

12. 松たか子「空の鏡」(1997)

女優としても有名なこの方の記念すべき1st。小出さんが春をテーマに作ったプレイリストに「明日、春が来たら」が入っていて知りました。歌唱が素敵だし、曲展開が独特なものがあったりして面白い作品です。「lovesick」というベボベファンがピン!とくるような単語もあったり。ぜひ一度お試しあれ。

 

13. toconoma「NEWTOWN」(2017)

東京発週末インストジャムバンドの3rd。Key.、Gt.、Ba.、Dr.の4ピース構成。ジャズ、ダンス、テクノなど様々な要素を取り入れた、キレイめでゆらゆら踊れるスタイルの音楽。基本的にKey.がメロを弾くので、ビートはダンサブルでも美しく聴こえるのがこのバンドの特徴ですが、アルバムに1曲、このKey.がめちゃくちゃ切ないメロを弾く曲が入ってて、久石譲的なエモーションを掻き立てられるので好きです。

 

14 .Jimmy Eat World「Bleed American」(2001)

アリゾナ州出身、現存Emoゴッドの大ヒット4th。日本でもアサヒスーパードライのCMに起用され有名になった超名曲「Sweetness」が収録されています。Sunny Day Real  Estateの影響下でEmo化したこのバンドは、Emoキッズ御用達だった前作までの方向性から、本作でよりロック要素を増して広く親しまれるサウンドに進化しています。Emoというよりギターロックやパワーポップの側面が強くてあまりピンと来てなかったのですが、eastern youthの2マン企画「極東最前線」に出演した時(2001)の映像を見て、やべぇ...!となった次第です。

 

15. Rage Against The MachineRage Against The Machine」(1992)

言わずもがな伝説的ラップメタルの1st。Vo.のZack de la RochaはInside OutというSxEバンドでVo.をやっており、ハードコアの支持が厚いことでも知られています。学生時代から折に触れて聴くも全然理解できなかったシリーズでしたが、2020年6月に起きたBlack Lives Matterのニュースを見てモヤモヤしていた時に、たまたま誰かがツイートしていたRATMの曲を聴いたらすんなり入ってきたことを覚えています。カッコ良いんですけど、レッチリ以外の何物でもないのもまたこのバンドの面白いところ。空耳の名曲も多数生まれています。

 

16. jizue「grassroots」(2017)

京都出身ピアノインストジャムバンド。ピアノが奏でる流れるような美しい旋律と、全メンバーの卓越した技巧が生み出すグルーヴが特徴的。オーケストラとコラボしたライブも行っています。ロックのライブと言えばパッションですが、彼らの場合はそれだけでなく音による感情表現がとにかく豊か。鳥肌どころか涙してしまうくらいに感情を揺さぶるような、演奏力と表現力がずば抜けたバンドです。

 

17. Super American「Disposable」(2017)

NY州バッファロー産2ピースインディロックの2nd。Pop Punkルーツなインディロックとでも言いましょうか、勢いのあるPop Rock路線だった前作の面影を残しつつ、湿っぽすぎない、抜け感と浮遊感が心地よいインディロックを鳴らしています。WEEZER好きならぜひご一聴を。

 

18. Fugazi「13 Songs」(1989)

言わずもがなポストハードコアの開祖、1stダブルEPをまとめた編集盤。こちら長らく理解できなかったシリーズでございます。超名曲「Waiting Room」のライブ映像を何かの拍子で見たらかっけー!となったパターン。やっぱりパンク、ハードコアはライブがすべてを物語ると改めて実感させられたバンドです。

 

19. Remembering Never「Woman And Children Die First」(2004)

サウスフロリダ産叙情ニュースクール/アーリーメタルコアの3rd。叙情フレーズやビートダウンがキュンとくるブルータルな初期メタルコアスタイル。展開がカオティックぽかったり、サビでクリーンを入れたり、スポークンワーズを導入したりという要素も良い感じ。MAメタルやスクリーモポスコアが好きな人にもおすすめです。 

 

20. Shattered Realm「Broken Ties... Spoken Lies」(2002)

ニュージャージー産アーリーメタルコアの1st。極悪ビートダウンをベースにしたスタイルと、Edge Metalまでも彷彿とさせるようなSlayerインフルエンスのリフワークが特徴。Thugい雰囲気でメタルぽさもあるハードコアを聴きたいならコレ。

 

21. On Broken Wings「Some of Us May Never See the World」(2003)

マサチューセッツ州ボストン産アーリーメタルコアの2nd。最近のバンドだとAttilaが影響を公言しています。叙情パートやサビでのクリーン導入など、前出のRemembering Neverに近いスタイルではありますが、こちらはカオティックな展開というより、とにかくビートダウンしまくります。なぜかは知りませんがモッシュを煽りまくって狂乱暴行ピットを作りたかった、という意図があったとかないとか。そんなわけでライブの評判はあまり良くなかったらしいですが、音源聴く分には凶悪で最高なのでぜひ。

 

22. Morning Again「Hand of the Martyr」(2002)

フロリダ産伝説的叙情ニュースクール/エッジメタル、おまとめ盤のおまとめ盤(ライブ音源のおまけつき)。「Hand of Hope」(おまとめ盤)と「Martyr」(mini)の曲を収録。実はこの2枚の間にVo.が交代しており、その影響なのか元々の音源ごとにサウンドが異なります。「Hand of Hope」はEarth Crisis影響下のニュースクール一色ですが、「Martyr」の曲はブラストビート+単弦リフが飛び出すなど、一気にEdge Metal化しています。ただ、彼ら特有のトライバルな雰囲気は共通。私はどちらも好き。

 

23. Reprisal「Boundless Human Stupidity」(2000)

イタリア産エッジメタルの2nd。16分刻みの単弦リフ、ブラストビート、デスメタリックな低音スクリームとEdge Metalと言えばコレ!な、ど真ん中の名盤です。Edge Metalを漁っていると、あれ...これもイタリア、こいつらもイタリア!となるくらいイタリアはEdge Metalの宝庫。ベルギーやドイツが本場という気もしますが、いずれにしてもユーロ圏での交流は盛んだったのでしょうね。

 

24. 7 Angels 7 Plagues「Jhazmine's Lullaby」(2001)

ウィスコンシン州出身伝説的叙情アーリーメタルコアの超名盤1st。はっきり言って最強です。叙情パートやビートダウンはもちろん最高なのですが、彼らの特筆すべきは曲展開にあります。目まぐるしく変化するカオティック系かと思いきや、モッシュパートを用意しつつ最後は叙情フレーズで儚く消えていくという、ドラマティックで美しい展開が待っています。その素晴らしさを理解した時、メタルコアの真髄を見てしまったと打ちのめされました。解散後、一部メンバーは「メタルコアの究極形」と名高いMisery Signalsを結成しています。

 

25. Adamantium「From the Depths of Depression」(1998)

カリフォルニア州オレンジカウンティ産ニュースクール/メタルコアの1st。駆け出しニュースクーラーの今の知識だと、この手のバンドは東側に多いイメージなので、18 VisionsやScars of Tomorrow、Throwdownなどのカリフォルニアのバンドは聴くと「あ、なんか違う...」となります。具体的には、音作りやリフにどこか特徴を感じるのですが、彼らもその一つ。ブルータルでモッシュパートもありながらどこか独特さを感じるサウンドを聴かせてくれます。2ndでは叙情化していてこれもまた良し。

 

26. Endthisday「Sleeping Beneath The Ashes Of Creation」(2002)

ウィスコンシン州出身アーリーメタルコアの1st。世間一般に知られているメタルコアにより一層近づいたサウンドで、メロデス由来の叙情的なフレーズやツタツタと駆け抜ける疾走パートが何とも爽快。ニュースクールを土台としているのでビートダウン、ブレイクダウンもばっちり。デモ期に在籍していたVo.は、のちに7A7Pに加入しています。

 

27. As Hope Dies「Legions Bow To A Faceless God」(2003)

オレンジカウンティ産アーリーメタルコアの1st。これはまさに初期メタルコアということで、メロデス由来の単音リフや疾走パートに「メタルコアってこれよね!」と感じる人も少なくないのでは。時折Edge Metal的な16分刻み単弦リフを織り交ぜてくるのも最高。Endthisdayと近しい音楽性ですが、こちらの方がよりメロデス的な「クサさ」を味わえるかと思います。やはりカリフォルニアのニュースクール系譜のバンドはメタル色が強いなと感じますね。

 

28. 中山美穂「Jeweluna」(1990)

延々とハードコアを紹介しておいて最後にこちら。最近新譜リリースに伴い、サブスク解禁となりました。その中で特に良かったのがこちら12th。R&Bやジャズ、ヒップホップの要素を取り入れながら、80年代と90年代の狭間のようなサウンドがとても心地よいアルバムです。

 

ということで8割方ハードコアに染まってしまいましたが、それ以外のアーティストも最高なのでぜひご一聴いただけたらと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。