実は最近、マッチングアプリを始めた。
Who knows? 驚きでしょう(ペトロールズ )
パートナーがとか婚活とか言うより、単純に女性と話したくなったという、それだけの理由。
まあそれでうまくいくことがあれば、それはそれで、という感じだが。
アプリも今や色々あるけど、とりあえず遊びに偏りすぎない感じの2つに登録した。
やるからには自分なりに意味を持たせたかったので、あえてまるっとありのままを晒すプロフィールを作成した。
具体的には、陰キャアピ要素と、女装した時の写真を盛り込んだ。
女装の写真は、普通に審査ではじかれたので、「これもワシなんじゃ!」と言わんばかりに5〜6回くらい上げ直し続けたら掲載された。
まあこれで誰も寄り付かなかったら、本当にのびのびとした人生を送ろうという腹づもりでいながらも、
とりあえず足あとやいいねをたくさんつけて、広報活動。
マッチングするのも大変なんだろうと思っていたが、思いの外できるもので、メッセージのやり取りも複数人と行うことができた。
その中で、マッチング後に「あなたの写真好き」と言ってくれた人がいた。
女装の写真である。
正直、自分の1番の狙いに好リアクションをいただけたので、とっても嬉しかった。
写真を見る限りではキレイな顔立ちの人だった(私は顔が良ければ大方のことは許し耐えられるという極悪人)。
面白かったのは、プロフィールはだいぶまじめなのに、メッセージ上では徹頭徹尾タメ語だったこと。
「気を遣って話すのは疲れるから」
突き抜けて自分のスタイルを貫く姿勢が面白かったし、そういう距離感がありがたいと思った。
カフェ巡りが好きな人で、県内のお店の話で話が弾んだ。
休みの度に出かけているようで、エリア問わず色んなお店を知っていて、本当に好きなのが伝わってきた。ワイはそういう情熱に弱いんや。
それで、自分は全然初心者だから、一緒にだったら安心できるなーと言うと、「じゃあ今度一緒に行こう」と。
私はメッセージが来る度に心の中で感謝の言葉を呟いてから開封するような状態ではあったが、完全に燃え上がってしまった。
しかし、その後には但し書きがついていた。
「疲れるから気を遣わずに話してね」
完全に燃え上がっていた俺は、失敗を恐れた。
感謝を伝えながら、自分は緊張しいだから最初はドキドキしてると思うのでご容赦願いたい、と。
そうして、ぱったりと返信は来なくなってしまったわけである。
完全に燃え上がっていた俺は、完全にフラれた時と同じ気持ちになった。
なぜ、LPを3ヶ月分9800円払ってこんな気持ちにならなければいけないのか。
悲しみと胸の痛みは、水に落とした乾燥わかめのように増幅した(謎の比喩)。
俺が保身をしなければ、きっと会うことはできていたーーーーシャワーを浴びながら、事の顛末を振り返る。
そして、俺は勝手に恋をしていたのだな、ということに気がついた。
その時、それがスッと腑に落ちて、7〜8割方の気持ちが消化された感覚がした。
メッセージを重ねる度に胸の奥が狭まるのと同時に己の欲深さを感じたのは、そういうことだったのだ。
そういう気持ちが、失敗を恐れ、保身に走ることにつながったのである。
自分の実態を見てもらえないまま、チャンスロスをしてしまうのはつらいものだ。
そんな時に良い友達がいてくれて、頼れる音楽があって本当にありがたいと思った。
こんなことばかりしていたら、心がいくつあっても足りないな。
フラットにいきたい。
(笑ってもらいたくて書いたのにこんな締め方しかできない芸人)