Uncertainty

わかったようでわからないことを書いています。

オトナのウィークエンドのまぼろし

2022.12.4 BONNIE PINK「HELLO AGAIN」@BillboardLive TOKYO

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初めてのBONNIE PINK。初めてのビルボード

あっという間の1時間半だった。

新旧織り交ぜたセットリストで、まさかこれが聴けるとは...!という曲もあってとても楽しかった。

しかしながら、10数枚のアルバムを出しているからこそ、聴きたい曲があまりに多くて、

間違いなく1時間半ではこの思いは消化しきれないな、と思った。

 

そもそも、キミ、BONNIE PINK好きなんだっけ?と思っている人が多いだろう。

あまり人に話したことはない(機会がない)けど、大学時代から1人でこっそり聴いていたのがBONNIE PINKだ。

 

きっかけとなったのは、俺がメロコアと出会うきっかけとなったFOUR GET ME A NOTSのライブだった。

当時、フォゲミのライブSEがBONNIE PINKの「forget me not」で、いい曲だなーと思って帰ってから

めっちゃ調べて特定した記憶がある。

 

その頃の俺はメロコアキッズだったので、流麗なメロディで、かつ英詞の曲をよく聴いていた。

日本人で英詞をやるとなると、メロに対する詞の乗せ方がアーティストによってものすごく差があって、

特にAIR JAM世代やそれに影響を受けたようなバンドにはカタカナ英語が多く、つまり結局は日本語みたいな、

メロディ1音に対して発声1音、といった詞の乗せ方になってしまう(意外と発音の問題ではなかったりする)。

しかし実際、英語は子音の要素が強いため、メロディ上では日本語よりも結ばれる点が多くなるようなイメージになる。

これによって、メロディに乗った言葉の流れが滑らかになり、また詰め込まれた言葉でノリが生まれる。

 

だから俺は、海外アーティストに影響を受けまくった日本人が作るメロディがとっても好きなのだ。

 

ことBONNIE PINKは洋楽っぽいメロディだし、発音も綺麗なので、なおさらカッコ良いと感じたのだった。

 

それからは、ベスト盤をレンタルしてまあまあ割と聴いていた、という程度の距離感であった。

 

そして今年になって、思い出したように聴き直していたら、「You Are Blue, So Am I」を聴いた時に、

順序は逆だけど「これ「(Base Ball Bearの)YOU'RE MY SUNSHINEのすべて」やん」という発見をして1人盛り上がっていた。

 

そんな最中に、Base Ball Bear小出さんとチャットモンチー済えっちゃんの対談で、

「俺らバンドマンで一番BONNIE PINKに影響受けてる説」というくだりがあって、

「やっぱりそうなんだー!」と驚きと嬉しさに舞い上がり、ベストだけじゃなくて

それぞれのアルバムをちゃんと聴くようになった。

 

だから正直ファンかと言われるとそうではないし、「良いよね」っていうくらいの距離感ではあるのだが、

あまりライブ活動をしている様子がなかったので、今見ておいた方が良いなと思って今日に至る。

 

 

アルバムは「Even So」が好きで、それこそ「the Answer〜ひとつになる時〜」なんかは、

チャットモンチーの「ウィークエンドのまぼろし」(チャットで一番好きな曲)が想起されて、

ああやっぱりそうか、なんて1人分かったような顔をしたりしていた。

 

 

だから今日、3曲目くらいで「OCEAN」を歌い出した時はびっくりした。

まさかやるとは思ってなかったし、ライブ映像とか一切なくて音源しか知らないから、

それはもうめっちゃ鳥肌が立った。

「本物だ!」としか言いようがなかった。

 

2ndの曲からは「Melody」「No One Like You」。

音源だとピアノ主体の作りだから、実際にバンドによるアレンジがかなり新鮮だった。

 

そのバンドアレンジがとりわけ際立っていたのは「金魚」だった。

サビが同じフレーズを2回繰り返す展開で、ライブでは2回目の時に歌の裏でバンドがブレイクするのが

めっちゃカッコ良かった。シンバルミュートから目が離せなかった。

 

アンコールは「鐘を鳴らして」。

聴いた瞬間泣きそうになった。これこそバンドサウンドが映える曲。

「君が君らしくあること それはまた孤独とも言う」

本当に良い歌だ、と心から思った。

 

全体的にドラムがレイドバックして雰囲気出していて、"オトナ"のライブだった。

ああいうカッコ良さも時には良いよね。

 

BillboaedLive TOKYOはいわゆる2階席3階席みたいなところまで席があって、

高さはあるけど思いの外ステージとの距離は近くて、音もよく聴こえて心地よいサイズ感の会場だった。

 

今回は4階(2階席くらい)のカウンターの端の席だったが、ちょうど演者が入退場するルートに面していて、

BONNIE姉さんやバンドメンバーを間近でもしっかり見ることができて幸運だった。

こういうラッキーがあると、やっぱり来て良かったなと思う。

 

ビール飲みながらライブ観るなんてことも、多分初めてかもしれない。

食事も美味しかった。めちゃくちゃ高かったけど。

何か頼まなきゃいけない感じでメニュー見たら、パスタ1800円、ビール1400円といった具合で脇汗が溢れ出た。

美味しかったから良いけど。

 

自分の身の丈には合ってないなあとは思ったけど、良い会場だった。

 

 

本当にあっという間の1時間半だった。

今回はTonight, the nightもHeaven's Kitchenも聴けなかったからまた行きたいな。